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院内感染事例報告~最近は?MRSAが原因?耐性菌の恐怖と戦う時代~

 

病院・医院環境下で感染したすべての感染症を院内感染と言います。

 

発症したのが病院外であっても、感染したのが病院であれば院内感染であり、患者だけでなく医療者や見舞人、関連企業の職員も対象に含まれます。

 

原因としては、

 

ノロウイルスやO-157、SARSが一般的に知られていますが、

 

抗菌薬の普及により、

 

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)

 

VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などの

 

薬剤耐性菌も問題視されるようになりました。

 

院内感染により、患者に重篤な症状が現れる可能性があるほか、入院日数の延長や医療費の増大が引き起こされてしまいます。

 

では、

 

最近の院内感染事例を紹介します。

 

院内感染事例

福島県の病院の話

2018年2月

 

福島県の(総合南東北)病院にて

 

KPC型カルバペネム耐性腸内細菌科細菌による院内感染が起きたことがわかりました。

 

郡山市保健所によると、前年12月から感染者が報告され、1月18日に細菌の型が判明したということです。

 

2月24日に記者会見が行われましたが、

 

その時点で保菌者は16名、この他に5人が発症し、うち2人が死亡しました。

 

保菌者の中にはすでに転院や退院をされた方もいますが、

 

転院先で感染拡大は確認されていないと発表されました。

 

転院患者に関しては、再び同病院に戻って治療を継続するということです。

 

 この院内感染に対して、国立感染症研究所のチームや県の職員が立ち入り調査を実施しましたが

 

感染源や感染経路の特定には至っていません。

 

感染症研究所は、市の保健所に対し、外部委員会の設置と感染対策の検証を命じています。

 

今回、80代患者の保菌者も複数名確認されています。

 

高齢者や重症患者は免疫力が低下しており、肺炎や敗血症など重篤化する恐れがあるため、特に注意が必要です。

 

群馬県の病院の話

 

2018年2月19日、群馬県の(希望の家療育)病院にてインフルエンザの院内感染が起こり、23人が発症したと発表されました。

 

70代と90代の患者2名が死亡しています。

 

院内には重い障害のある患者や数十年に及ぶ長期間の入院患者もいたため

 

感染が発覚した後、感染患者を個室で管理するなど拡大防止の措置が必要とされました。

施設感染紹介~特別養護老人ホームで集団感染~

 

高齢者が多数入所している特別養護老人ホームで集団感染が起こった事例もあります。

 

2018年2月、岐阜県の特養にて入所者22人、職員7人がインフルエンザに感染し、90代男性入所者が死亡しました。

 

 このように、院内感染は死亡者を発生し得る深刻な問題であり、対策が必要とされてきました。

 

病院は対応している?病院の対応

 

院内感染の発生を未然に防止し

 

発生した感染を拡大させないため

 

各医療機関で「院内感染対策のための指針」の整備が義務付けられています。

 

この指針は医療機関ごとに作成、変更することができます。

 

多くの施設で引用されているのが標準予防策(スタンダード・プリコーション)です。

 

標準予防策では、

 

患者の血液や体液、分泌物、排泄物、傷のある皮膚や粘膜を感染の可能性のある物質とみなし対応します。

 

具体策として、一患者、一処置ごとの手洗いや、鋭利な器材の適切な取り扱い、リネンの処理などについて定められています。

 

手洗いは、現在明らかな感染症が発生していない場合でも、未知の感染症を予防するために行います。

 

また鋭利な器材による負傷が感染ルートとなることもあるため、リキャップは禁止されています。

 

さらにリネンには患者の血液や排泄物が付着することがあるため、洗浄の手間を考慮し、ディスポーザブルの製品が広く使用されています。

 

 これらの予防策の他に、院内感染発生時に早期対処するため活動しているチームがあります。

 

ICT(Infection Control Team 感染対策チーム)は多職種で構成され、病棟ラウンドや他の医療機関との連携を実施しています。

 

また医療従事者は、患者に対して感染対策の適切な情報を提供する役割もあります。

おわりに

院内感染は、施設環境や患者の状態によって発生状況が左右されます。

 

高齢化がすすむ日本では、院内感染が一度引き起こされると、感染拡大につながる恐れが十分にあります。

 

個人ではなく、医療機関全体として、対策に取り組むことが求められます。